でぶねこさん
角膜拡張症の発生頻度について手術件数の多い某施設の発表では術前のデータをどんなに見直しても0.03%の症例は予知や防ぎようがなかったとのことでした。
LASIKで
角膜を削る面(角膜ベッド)の残量は7,8年前まで200μmとされていましたがそれ以降は安全性の上で250μm必要ということが一般化しています。また
術後の全角膜厚は400μm程度が必要といわれています。手術の時期と施設の安全マージンへの意識は基本的な注目点だと思います。
円錐角膜(青年期に発症することが多い遺伝性疾患)と角膜拡張症はほぼ同義に捉えられており、もちろん
円錐角膜はLASIKの絶対適応外・禁忌です。ただし、角膜拡張症は医療が作ってしまった
円錐角膜というより「LASIKにより発症を早めてしまった」というのが一般的な認識です。
術前の角膜形状解析(OPDスキャンなど)は
円錐角膜の兆候がないかを調べていて、
不正乱視(蝶ネクタイ型の不整など)を見つけるために用いています。
学会レベルの知見では角膜形状解析検査で一見正常な症例でも角膜後面の形状解析のデータに将来
円錐角膜になりうる(LASIK後に角膜拡張症になりうる)未発症の眼を推定できるという説も提唱されています。ただ、この角膜後面解析は新しい概念で今のところ機械メーカーもオプション扱いです。
どこまでの知識が専門医として知るべきかという論点はあるかと思いますが、手術施行上の過誤がないとするならば、むしろ争点は検査データを読み取り本当に術後の合併症が予見できないものであったか・否かがポイントになると思います。
あと、術後の眼が赤くなるのは「結膜下出血」です。これは手術中、主にフラップ作成時の機械の吸引によって白目の表面の血管から出血し結膜下、要は皮の下に
内出血が溜まる状態なので、角膜の手術結果にはその場所や組織の連続性からもまったく影響ありません。手術に関係なくこすったり、力仕事をしたり、寒風に当たったりでよく起こることですから眼の表面の青あざだと思っていただいたらいいと思います。